2年ほど前から深堀隆介展-水面のゆらぎの中へというイベントが全国で行われていた。すみっコぐらしもコラボしており、金魚をモチーフにした限定グッズのかわいさに惹かれていたのはもちろん展示内容も興味があったのだが、最初に札幌でやったあとはどうにもアクセスのよくない場所でしか開催されず、なかなか行く気になれなかった。 しかしこの度大阪のあべのハルカスで開催されることが決まり、今後東京でやってくれるのかどうかもいまいちはっきりしなかったため行ってくることにした。
何気に大阪を訪れるのは人生初だったので観光もしたいと考えており、最終的に以下のイベントや場所を回った。
- 初日
- 深堀隆介展-水面のゆらぎの中へ@あべのハルカス
- ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢@大阪市立美術館
- 天王寺公園
- 新世界〜通天閣
- 海遊館
- 2日目
- 大阪城公園
- 黒門市場
- 道頓堀
- ニフレル
自分の中で「大阪と言えば」というイメージのある場所をある程度回ることができて満足した。
出発
ぷらっとこだまで行こうと思っていたのだが最速でも10:55くらいの到着になってしまい、万一グッズが売り切れてしまうと悲しみを背負うため10:00にはあべのハルカスに到着しておきたく、飛行機を使うしかなかった。 大阪空港からあべのハルカスまでは定期的にリムジンバスが出ており、9:20発のバスに乗ればぎりぎり10時前に到着できる。 となると、羽田を7:30に発つ便に乗らなければならず、その1時間前までには羽田空港に到着するには4:30に家を出る必要があった。
残念ながら以前の下関〜博多旅行に引き続き今回も3時間弱しか寝れないまま出発する羽目になり、前回ほどではないが帰ってから体調を崩してしまった。 以前より勤務時間の融通がきく仕事に就いたため、次からは旅行の前日は15時頃には退勤してしまおうと思う。
深堀隆介展-水面のゆらぎの中へ
早めに着いたお陰か待ちは50人弱ほどしかおらず、スムーズに入れた。 撮影可能な作品が少ないためあまり写真がないのだが、私が気に入った作品はやはり、画像のような透明樹脂の中に多くの金魚がアクリル絵の具で描かれている作品だ。
これは樹脂を薄く固めてその上に金魚を描き、更にその上に樹脂を薄く固めてその上に金魚を描き、という工程を繰り返すことで立体的な金魚ができあがるという深堀氏を代表する手法で作られた作品なのだが、金魚を描いた部分の下にはきちんと絵の具による影ができるというのは本当によく考えられているなと感じた。 金魚が渦を描いて泳いでいることによる水面の表現もきれいで、外が35℃と暑かったこの日でも涼しさを感じたのは、きっとクーラーだけのせいではないだろう。 横から見ても味わい深い。
限定グッズの方はというと、全く心配なくすみっコを全員迎えられた。 普段はとかげをメインで集めているが、今回のコラボのてのりはすみっコごとに微妙に異なる種類の金魚がモチーフになっているなど造形が凝っており、すべて集めて並べるたくなってしまったため、全員迎えることにした。 とかげに関してはふっくらしたのと少し潰れた感じのがいて、どちらもかわいかったので2つ迎えてしまった。
ちなみに、この展示とは全く関係無いのだが、あべのハルカスにはTHE MASTER by Butter Batlerという私がよくお土産に使っているお菓子のブランドの店がある。 このブランドの店は日本ではまだあべのハルカスと横浜高島屋にしかなく、しかもそれぞれの店舗に限定商品がある。 あべのハルカスの限定商品はこのラムレーズンバターミルフィーユだが、なんと深堀隆介展を出てまだ11時だったにも関わらず在庫が4つしか無く、売り切れ寸前だった。 こちらも以前から一度味わってみたかったため、運が良かった。
ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢
このイベントがすみっコぐらしとコラボするのは6月の終わりに急に発表された。 すみっコの絵画美術展系のイベントとのコラボはやたらグッズの在庫が潤沢なことが多く焦る必要もない上、美術鑑賞は結構立ちっぱなしで解説を読み続けるのが自分の中でハードで連続で行って疲れないか心配だったし、9月から東京でも開催されるようなのでそもそも大阪でわざわざ行くか悩んだのだが、せっかくあべのハルカスからほど近い大阪市立美術館で開催されていたので、天王寺公園を歩くついでに、拾えるうちにすみっコを迎えるチャンスを拾いに行くことにした。
この美術展はゴッホの生涯を支え、そして死後にゴッホの作品が然るべき評価を受けられるよう奮闘したゴッホの弟テオ(Theodorus van Gogh)とその家族をテーマにしているのだが、なかなか面白かった。 最初に書いたとおりこの日はあまり眠れなかったのだが、美術館を出るころにはぱっちり目が覚めていたくらいだ。 美術の知識はさっぱりなのでこの手のイベントではいつも音声ガイドに課金しているが、今回は特に内容がよかったので、これから行く人にはぜひおすすめしたい。
特に印象に残ったのが、ゴッホの死後にテオとその家族の奮闘によりゴッホの作品が評価されていったが、ロンドンのナショナル・ギャラリーにかの「ひまわり」の内の1枚が購入されると、ゴッホの評価はついに不動のものとなったという話だ。 ナショナル・ギャラリーといえば、2020年に上ので開催されたロンドン・ナショナル・ギャラリー展もすみっコとコラボしており、そこではひまわりも展示されていたのだが、「ここでつながってくるのか!」、「あのとき見た絵にそんな意味があったのか!」と何か熱いものを感じずにはいられなかった。
また、ゴッホが晩年に精神的な苦悩と向き合いながらも農村の風景を書き続けていた話を聞いていて、絵というのも楽しくやれば独りで長く続けられる趣味かもしれないなとふと思った。 絵心はまるで無いが、風景を見るのは好きだし、その時に本格的なものでなくても風景の素描なんかが描けたら少し楽しそうだ。 人生を独りで生きていく可能性もそれなりにあるので、そういう趣味を増やせるチャンスは気にかけておきたい。 今すぐは難しいが、40歳が近づいて仕事でもベテランと言えるような立場を確立できたら、そういうことにも目を向けたい。
グッズは、私は「ひまわり」が好きなのだがとかげが画家のデザインだったため、次点ですきなしろくまも追加で迎えた。 ロンドン・ナショナル・ギャラリーのときも思ったが、しろくまは寒がりなので、太陽や夏を思わせるひまわりはよく似合っている気がする。 また、とかげが着ている青い服も今回のイベントのポスターなどにも載っているゴッホの自画像がモチーフなのだと後々気付き、気に入った。 せっかくとかげがゴッホ自身のモチーフなので、ゴッホの作品や画材をモチーフにしたてのりぬいぐるみセットも迎えることにした。
かなり行くか悩んだイベントだったが、おもしろい展示内容に素敵なデザインのすみっコと文句の無いイベントだった。
新世界〜通天閣
大阪市立美術館を出たあとは、そのまま天王寺公園を歩いて新世界や通天閣の方まで歩いた。 特に何らかの店に入ったわけではないのだが、この景色を見るとなんとなく大阪に来たという気になる。
ただ、思ったほどの高さでもなかったので登るのはやめにして先を急ぐことにした。
余談だが、この日の大阪の最高気温は35℃前後だった。今年の3月頃、ずっとなんとなく欲しかったモンベルのサンブロックアンブレラを買った。 よく日傘はいいぞと言われているが、ここまで気温が高いとあっても依然として全身から汗が吹き出してくるほどの暑さではある。 しかしこれがなかったら死んでいただろうから買っておいたよかった。
海遊館
海が好きなのもあり、旅行先に水族館があったときはなるべく寄るようにしている。 海響館と言えばやはりジンベイザメだろう。 ジンベイザメはかつて美ら海水族館に連れて行ってもらったときに見たことがあったのだが、もう15〜20年ほど前のことだからほとんど覚えていない。
久しぶりに見るとなんだか思っていたより小さいなという気持ちになり、この水族館にいる個体が小さいのかと思ったが、20年以上飼育されているらしい美ら海水族館の個体も自分が見た当時はそこまで大きくなかったはずなので、たぶん私の記憶がいい加減なのだろう。
ホテルへ
海遊館を出たあとは道頓堀に行って何か食べようかと思っていたのだが、1日中歩きっぱなしで足は痛いし、シャツが汗まみれで気持ち悪かったので、新大阪のビジネスホテルに向かった。 着替えてベッドに転がったらそのまま9時頃まで眠ってしまい出かける時間でも無くなってしまったので、入浴し、近くにあったコメダ珈琲で夕食を済ませた。
大阪城公園
比較的暑さがマシな時間帯に行ってしまおうと思ったのだが、既に暑かった。
肝心の大阪城はというと、内部は資料館になっていたのだがここに着くまでに暑さでかなり気が滅入ってしまい、人もごった返していたのであまりじっくり見る気にもなれなかった。 音声ガイドもあったので恐らくじっくり見て回れば面白いのだろうが、とにかくこの時期に来たのがよくなかった。 また別の時期に大阪を訪れる機会があればリベンジしたいものだ。
近くの豊國神社にもお参りしたが、その際に特定の手順で注連縄で作られた輪をくぐるしきたりがあり、この手順を間違えてしまった。 帰って体調を崩したのも罰だったのかもしれない。1
黒門市場
大阪といえば飲食店の並ぶ商店街というイメージがあったのだが、市場の7割ほどはインバウンド向けのぼったくり店と化していた。 何の変哲もないカレーうどんが3500円したり、海鮮丼なんかは軒並み5000円以上するなど、日本人が来れる場所ではなくなっていた。
とはいえいくつかは昔からやっているのであろうまともな店も残っていた。 お好み焼きを1000円で出してくれる店があったので昼食にした。 せっかくまともな価格で商売をしているので応援としてもう少し注文したかったが、どうしても2つ目は腹に入りそうになかった。 あとで考えるとドリンクか何か頼んでいけばよかったかもしれない。
ぼったくり店ばかりになってしまっては困るが、私自身は高い金額で飛ぶように売れるのであれば、まあそうしないとバカバカしくて商売やってられないだろうなという考えだ。 市場全体がインフレに包まれていて面食らってしまったが、これはこれでそういう場所があるのだという笑い話のネタになった。 とはいえ、まともな店もわずかながらあるので、そういう店の存在を無視して「ぼったくり店ばかりだ」と言ってしまうのはあまり褒められたことではないだろう。
道頓堀
なんとなく、大阪に来たらこれを見たいという気持ちがあったのでそのまま道頓堀に向かった。 相変わらず暑いが、歩いたことが無い街はただ歩いているだけでも楽しいものだ。 人生の大半を東京やその隣県でしか過ごしていないため、都市部を旅行するときは本当はもっと、その街での暮らしがどんなものか?ということに触れたいのだが、2日間の旅はそれをするには短すぎる。 せっかくリモートで働ける仕事に就いたので、もう少しお金に余裕ができたら年に何日かは遠くの街のウィークリーマンションでも借りて、そこで1〜2週間暮らしてみるというのをやってみるのもいいかもしれない。
ニフレル
水族館が被ってしまうが、ここも絶対行くと決めていた。 道頓堀を出るとき、使う駅とは真逆の方向に歩き続けてしまうなどタイムロスが嵩み行く時間がなくなるかと思ったが辛うじてなんとかなった。
行く途中には万博記念公園もあり、散策してみたかったのだが時間が無い&暑いため今回はスルー。
ニフレルに入ってまず感じたのが、展示の仕方が今まで行った水族館の中でもダントツで好みだった。 最初の部屋には以下のような円筒形の水槽がいくつも並んでいるのだが、これがおしゃれで、私もいつかお金に余裕ができたらこんな形の水槽を用意して魚でも飼ってみたいと少し考えてしまった。 多分、費用や飼育の手間の問題でやらないとは思うが。
これはやたらサービス精神旺盛だったアカエイの子ども。
また、個人的にとてもユニークだと思ったのが、ジーベンロックナガクビガメという、その名のとおりとても首が長い亀だ。 これは始めて見る生物だったので、そんなのがいたのかと驚いてしまった。
実はニフレルでは限定のすみっコぐらしのガシャポンが設置されており、私は回さなかったのだがサンプルの展示もかわいらしかった。
魚以外の生物も展示されているのだが、こちらも雰囲気が好みで、ぜひまた訪れたいと思った。 今回の旅行で最後に訪れる場所をここにして本当によかったと思う。 とても満足した。
帰宅
その後は空港に向かい、たこ焼きを食べて飛行機に乗って帰った。 その日の内はまだ体調はなんとかなっていたのだが、翌日から、クーラーで喉が感想したのもあって3日ほど発熱で寝込んでしまった。 持病のために飲んでいる薬に免疫を阻害するものがあるのだが、今年に入ってもう2回発熱しているあたりどうやら副作用の影響をがっつり受けてしまっている。 とはいえそちらはどうしようもないので、今後は夏にクーラーをかけて寝る際も加湿器を稼働させることにする。
給与を上げていきたい
今回の旅費だが、交通機関に払ったのが37000円ほど、宿に払ったのが8600円、すみっコに払ったのが27600円、その他諸々に払ったのがざっくり21542円というところだった。 今回はすみっコに払った金額が大きかったという事情もあるのだが、今後貯蓄もしつつもっと旅行していくなら、まだまだ給与を上げていく努力をしなければいけないなと思い直した。 今の仕事に就いてからこれまで目標にしていた年収に手が届き、やや以前のハングリーさを失いつつあったのだが、また熱を持ってやっていけそうだ。
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十中八九、純粋に暑い中を歩き回ったことや1日目の寝不足で蓄積した疲労が原因だと思うが。 ↩︎